ベルファイア転売神話、崩壊|3つの理由と残クレ地獄の罠

かつては「納車された瞬間にプレミアが付く」とまで言われたトヨタ・ベルファイア。その中古価格が、2024年末から2025年にかけて暴落しています。SNS上では「ベルファイア転売バブルの終焉」と話題になる一方、ローン返済が追いつかず手放すオーナーも続出。今回は、ベルファイア転売神話崩壊の背景と、そこに潜む残クレ地獄の実態に迫ります。


ベルファイア転売神話とは?

2023年〜24年ごろ、新型アルファード/ベルファイアはあまりの人気に納期が1年以上という状態が続きました。この影響で、新車より高い価格で中古が売られるという異常事態に。中には「1台100万円以上の利益を上げた」という転売ヤーも存在したほどです。

そのため、多くの人が「ベルファイアは資産になる」「ローンで買っても損はしない」と考えました。ですがこれは、一部の異常な需給バランスが生んだバブルであり、永続的な価値ではありませんでした。


なぜ崩壊したのか?転売神話の終焉

1. 供給の正常化

トヨタが増産体制に切り替えたことで、新車の納期が徐々に改善。新車価格と中古価格の差が縮まり、中古車の「プレミア感」が急速に薄れました。

2. 転売ヤーの存在

車両を短期売買して利益を得ようとする「転売ヤー」が多数参入。結果として、

  • 登録済未使用車の急増
  • 供給過多 となり、中古市場が自滅的に価格崩壊。

3. フェラーリと違い「限定性」がない

よく誤解されがちですが、フェラーリやランボルギーニのように生産台数を絞り、ブランド管理を徹底するモデルでない限り、中長期での値上がりは困難です。

人気車であっても、量産モデルである以上**「買いたい人が増えれば増産する」**という基本構造は変わりません。


なぜここまで残クレが普及したのか?

残価設定ローン(残クレ)は、月々の支払いを抑えつつ新車に乗れるというメリットが強調され、多くの人に浸透していきました。では、なぜこれほどまでに広がったのでしょうか?

● 販売側の都合:ノルマと登録台数

ディーラーにとって最も重視されるのは「登録台数」です。実際に乗ってもらうよりも、“売ったことにする”ことが営業評価の指標になるため、残クレのように契約ハードルの低い商品は重宝されました。

● 月額の“錯覚的安さ”

「月々3万円で新車に乗れる」といった広告文句は非常に魅力的に映ります。しかしこれは、

  • 頭金を含まない
  • 車両価格の全体像を見せない
  • 最終的に返却 or 高額な一括支払いが必要 といった条件付きの話です。

● 「所有」より「利用」の時代背景

サブスクやリースのように、モノを“所有せず利用する”という価値観が浸透してきたこともあり、残クレはその延長線上として広がりました。ですがクルマは、故障リスク・市場変動・資産価値といった点で家電やサービスとは異なります。

こうした背景が、結果として“無理な買い物”の後押しとなってしまった側面もあるのです。


無理なローン=地獄の始まり「残クレ地獄」とは

特に2023〜24年は、**月々5万円程度で乗れる!**といった残価設定ローン(いわゆる残クレ)による販売が加速。

しかし、残クレには以下の落とし穴があります。一つでも致命的ですが、しかもこれらがいっぺんに訪れる可能性があります。

  • 返却時の車価が大きく下がると、差額の追加入金が必要になる
  • ローン終了後に買い取りを選ぶと、残額が一括で請求される
  • 「車を返してもローンが残る」=マイナス資産となる可能性も

つまり、価格が崩れた今は一括で買える余裕がある人か、長期保有を前提とした慎重な判断が必要です。


「車を返しても借金が残る」実例が続出

新車価格700万円のベルファイアを残クレで5年契約した場合、返却時に下取り額が350万円以下になると追加入金が必要になるケースがあります。

2025年春現在、中古価格が400万円台前半〜500万円割れにまで下落している車両もあり、返却しても残債が100万円以上残る例も。


バブルの終焉と今後の教訓

転売バブルに踊らされ、無理なローンを組んだユーザーが「車も残らず、借金だけが残る」という残クレ地獄に陥る……。

この事例は、車に限らずあらゆる耐久消費財にも通じます。

  • 「今が買い時」とあおる営業トーク
  • 「プレミアがつくから損はしない」と信じての高額ローン
  • 「資産になる」と錯覚しての見栄消費

冷静に考えれば、資産どころか負債であることがほとんどです。


それでも今が“本当の買い時”かもしれない

皮肉なことに、今は転売熱も落ち着き、中古市場も現実的な価格帯へと戻ってきました。適正価格で購入できる今こそ、

  • 残クレではなく頭金+適正ローンで買う
  • 長期保有を前提に整備履歴やコンディションを重視する

といった「堅実な買い方」ができるフェーズです。


まとめ:”買える”より”持てるか”が大事

高級ミニバンを見栄で買う時代はもう終わりました。

一括で買えるなら問題ありませんが、残クレやローン頼みで購入するなら「5年後にどれだけ価値が残っているか?」という視点は絶対に必要です。

中古価格の下落や転売バブルの崩壊は、クルマだけの話ではありません。無理のない買い物を。自分の足元を見失わないように。

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