とある酒場での出来事。
僕 『年金て何で取られるんですかね?』
先輩『義務やからやろ?』
僕 『でも貰えるんですかね、年金?』
先輩『どんどん支給年齢上がっとるなぁ、貰う前に死んだら払い損。。』
僕 『15,000円(国民年金の一回の支払額)あれば居酒屋4回行けますよね』
僕・先輩『はぁ。。』
相変わらず先輩と不景気な話題を繰り広げていたわけですが、今払う年金の負担もさる事ながら、将来貰える年金も不安が残ります。
今回は、なかなか考えるのも嫌になる将来の蓄えのお話です。
1.年金て幾ら貰えるの?
国民年金はずばり、77万9,300円です。ただしこれは20歳から60歳まで、学生免除や滞納をする事もなく、満額払ったと仮定してかつ、今時点での支給額です。月額で見ると約65,000円。ここから払っていない期間があればどんどん減っていきます。
(ヾノ・∀・`)ムリムリ
法人にお勤めの方はここに厚生年金が支給されることになるので、これよりは多いですが(男性平均は18万円/月、女性9万円)それでも、今のこの世の中潤沢とは言えません。
なんか悲しくなってきました。。。
自分の将来に憂いても仕方がありません。ただ、このまま貯金もままならず、老後を迎えてゆったりとしたセカンドライフなんか夢のまた夢という事です。
2.idecoって?
ideco=個人型確定拠出年金と言います。
一言でいえば追加年金。自分で年金を毎月積み立てて運用して増やす、いわば投資と年金の中間に位置するものと解釈できます。
idecoは供出した資金の運用を委託する点で、一種の投資信託とも言えますが、通常の投資信託と違い、三つの特徴があります。
(1)お金を払った年のメリット
税金の計算過程には全部で5段階あり、確定申告の大まかな流れは⇓にまとめました。
idecoが関係するのは確定申告の大まかな流れの中、三段階目で計算する『所得控除』の中の『社会保険料控除』に該当します。
この社会保険料控除は、所得税・住民税の計算上払った金額そのまんま減額する事が出来ます。下は国税庁HPより抜粋した所得税率の速算表です。
左に自分の課税所得金額を当てはめ、適用されている税率を調べて、idecoで支払った金額と掛け合わせた分が税金の少なくなる額です。(idecoの分を所得金額から差し引くと税率が変わる人は2種類の税金をかけ合わせる事になります。)
住民税はシンプルに10%×ideco支払い額です。
(2)儲かった時のメリットと中途解約不可のリスク
通常株でも投資信託でも儲かった金額だけ税金を納付する義務がありますが、idecoで儲かった分は非課税、つまり税金が免除されます。
NISAとよく対比されますが、NISAは株や投資信託を買って売って儲かった利益が非課税なだけで元は運用口座です。なので、その中で買ったり売ったり引き出したりは自由な反面NISAで株を買ったからって特段何の税金の恩恵は受けません。
株はお金持ちがやるもんやさかい。。ε- (´ー`*)フッ
日本によく浸透した考え方ですが、税法上は少なくともこの考え方です。投資は将来の為でなく、余剰資金の運用として扱われます。
idecoは投資である一方積み立てる年金の一種なので、短期での値上がり益期待というよりは、長期(定年後とかそういうレベル)での資産運用の一種です。その為、途中でやめる事は出来ません。換言すれば、今の年金受給額では不安なので、その分現役の内に、掛け金を多く支払って将来貰えるお金を大きくしよう、という性格のものです、超長い強制的な定期預金といったところでしょうか。
(3)貰う時の軽課税率
さて、将来実際にお金を貰える段になれば、お金が入ってきます。流石に非課税とまで言いませんが、受取時に課せられる税金は優遇された内容になっています。
受取時期は60歳以上、ただし、加入期間10年以上とされているので、例えば54歳から加入したら、54+10=64以降という風に60歳を超えないと受け取れないなどケースバイケースが生じます。
また、受取方法は以下の二つ。
①一時金として(いっぺんに)受取る場合
idecoをいっぺんに受け取る場合には、退職金と同等の扱いになります。
退職金にかかる所得の計算方法は以下の式で計算されます。
退職所得=((退職金等)ー(退職所得控除額))/2
退職所得控除額というのが少しややこしいのですが勤続年数が20年までは勤続年数×40万円、20年超の場合は800万円+(勤続年数ー20年)×70万円として決めます。
idecoの場合、この勤続年数の代わりに加入期間を当てはめます。
退職所得は、総所得金額とは別建てで上の所得税率を当てはめる事になるので、退職所得控除額を下回れば税額は0となり、上回っても税額は他の収入と比べ少なく抑えられるものとなります。
②年金として(毎年)受取る場合
idecoを毎年受取る場合にはこれも年金と同じ扱いになり、税額・税率が抑えられる計算がなされます。
公的年金にかかる所得の計算は、65歳未満では70万円、65歳以上では130万円を控除します。この場合にも税額計算上低く計算されるように設定されています。
3.どっちがお得?受け取り方
上の通り、受取り方は2パターンあるので、当然気になるのはどっちの方が得なんか?ですよね。結論はケースバイケースですw
( ゚Д゚)おい!!
貰う人により事情が違ってくるので、ある程度はしょうがないんですwただ、ケースにより類別は可能です。
(1)一時金で受け取る方が得なケース
一時金で受け取る場合、退職金と同じ扱いになります。その為、当然他の退職金があれば、合算したり退職所得控除額の年数を減らしたりしなければならなくなります。
よって、この場合会社から受け取れる退職金等がない場合が当てはまります。
また、裏技として退職金を受け取ってから15年経過すれば、idecoの計算に組み込む必要がなくなるので、早期退職をして退職金を受け取った方は15年経過してからidecoを受け取る事で、退職所得控除額を二重取りする事が可能になります。
(2)毎年受け取る方が得なケース
上と逆ですね。退職金を別で受け取れる場合には、年ごとに受け取って、所得の種類を分けた方がそれぞれの控除額をフルに活用できるので、こちらの方が得になるケースが出てきます。ただし、こちらも当然他の公的年金と合算する事となる為、他に受け取れる年金がある場合、それと合算した結果適用される税率により判断する必要があります。
また、公的年金(idecoも含めて)は雑所得として税金を計算する事となり、雑所得はほかの所得と合算する事になります。他の所得(例えば不動産や事業)がある場合、それらと合算し、超過累進税率により課税がされる事になる為、非課税どころか思わぬ高額な税金が課されるケースもない事はないので、注意が必要です。
これらは当然税金の事だけを考えたシミュレーションなので、例えば住宅ローンがあって、早期完済した方が利息支払いがなくなる分、得になる方や退職金にidecoを合算しても尚、退職所得控除額で全額を賄えるケースもあると思いますので、詳しい計算は自分自身で退職金とidecoの受取額を把握してそれぞれのケースをシミュレーションを計算してみる必要があります。
これを自分の手計算で行うのはちょっと面倒、というか計算間違いをする可能性もある事から、会計ソフトを利用する事をお勧めします。折角の蓄え、最大限手取りを増やしたいところですからねw
4.まとめ
昔はよかった。。。という言葉はよく聞きますが、殊年金に関しては先細りが目に見えています。昔より今、今より将来年金はどんどん先細っていくし、公的年金のみに頼っていても生活が立ち行かない将来が待っているのは経済に長けていても長けていなくても何となくわかる話です。
今回のお話は投資というよりは効率の良い老後の貯蓄です。投資は投資で必要だと思いますし(でないと資産が増えないですしねw)色々な方面での資産運用の方式を考えておくべき話と思います。
資産の運用はリスクを取って増やすのは余剰資金からが基本ですが、振り幅が大きのは仮想通貨と外為FXでしょう、少ない資金で大きい儲けを狙えます。
ただ、大きい儲けが期待できる分損失のリスクも同じだけ大きいので、ハマりすぎにはご用心くださいw
とある酒場での出来事。
僕 『年金て何で取られるんですかね?』
先輩『義務やからやろ?』
僕 『でも貰えるんですかね、年金?』
先輩『どんどん支給年齢上がっとるなぁ、貰う前に死んだら払い損。。』
僕 『15,000円(国民年金の一回の支払額)あれば居酒屋4回行けますよね』
僕・先輩『はぁ。。』
相変わらず先輩と不景気な話題を繰り広げていたわけですが、今払う年金の負担もさる事ながら、将来貰える年金も不安が残ります。
今回は、なかなか考えるのも嫌になる将来の蓄えのお話です。
1.年金て幾ら貰えるの?
国民年金はずばり、77万9,300円です。ただしこれは20歳から60歳まで、学生免除や滞納をする事もなく、満額払ったと仮定してかつ、今時点での支給額です。月額で見ると約65,000円。ここから払っていない期間があればどんどん減っていきます。
(ヾノ・∀・`)ムリムリ
法人にお勤めの方はここに厚生年金が支給されることになるので、これよりは多いですが(男性平均は18万円/月、女性9万円)それでも、今のこの世の中潤沢とは言えません。
なんか悲しくなってきました。。。
自分の将来に憂いても仕方がありません。ただ、このまま貯金もままならず、老後を迎えてゆったりとしたセカンドライフなんか夢のまた夢という事です。
2.idecoって?
ideco=個人型確定拠出年金と言います。
一言でいえば追加年金。自分で年金を毎月積み立てて運用して増やす、いわば投資と年金の中間に位置するものと解釈できます。
idecoは供出した資金の運用を委託する点で、一種の投資信託とも言えますが、通常の投資信託と違い、三つの特徴があります。
(1)お金を払った年のメリット
税金の計算過程には全部で5段階あり、確定申告の大まかな流れは⇓にまとめました。
idecoが関係するのは確定申告の大まかな流れの中、三段階目で計算する『所得控除』の中の『社会保険料控除』に該当します。
この社会保険料控除は、所得税・住民税の計算上払った金額そのまんま減額する事が出来ます。下は国税庁HPより抜粋した所得税率の速算表です。
左に自分の課税所得金額を当てはめ、適用されている税率を調べて、idecoで支払った金額と掛け合わせた分が税金の少なくなる額です。(idecoの分を所得金額から差し引くと税率が変わる人は2種類の税金をかけ合わせる事になります。)
住民税はシンプルに10%×ideco支払い額です。
(2)儲かった時のメリットと中途解約不可のリスク
通常株でも投資信託でも儲かった金額だけ税金を納付する義務がありますが、idecoで儲かった分は非課税、つまり税金が免除されます。
NISAとよく対比されますが、NISAは株や投資信託を買って売って儲かった利益が非課税なだけで元は運用口座です。なので、その中で買ったり売ったり引き出したりは自由な反面NISAで株を買ったからって特段何の税金の恩恵は受けません。
株はお金持ちがやるもんやさかい。。ε- (´ー`*)フッ
日本によく浸透した考え方ですが、税法上は少なくともこの考え方です。投資は将来の為でなく、余剰資金の運用として扱われます。
idecoは投資である一方積み立てる年金の一種なので、短期での値上がり益期待というよりは、長期(定年後とかそういうレベル)での資産運用の一種です。その為、途中でやめる事は出来ません。換言すれば、今の年金受給額では不安なので、その分現役の内に、掛け金を多く支払って将来貰えるお金を大きくしよう、という性格のものです、超長い強制的な定期預金といったところでしょうか。
(3)貰う時の軽課税率
さて、将来実際にお金を貰える段になれば、お金が入ってきます。流石に非課税とまで言いませんが、受取時に課せられる税金は優遇された内容になっています。
受取時期は60歳以上、ただし、加入期間10年以上とされているので、例えば54歳から加入したら、54+10=64以降という風に60歳を超えないと受け取れないなどケースバイケースが生じます。
また、受取方法は以下の二つ。
①一時金として(いっぺんに)受取る場合
idecoをいっぺんに受け取る場合には、退職金と同等の扱いになります。
退職金にかかる所得の計算方法は以下の式で計算されます。
退職所得=((退職金等)ー(退職所得控除額))/2
退職所得控除額というのが少しややこしいのですが勤続年数が20年までは勤続年数×40万円、20年超の場合は800万円+(勤続年数ー20年)×70万円として決めます。
idecoの場合、この勤続年数の代わりに加入期間を当てはめます。
退職所得は、総所得金額とは別建てで上の所得税率を当てはめる事になるので、退職所得控除額を下回れば税額は0となり、上回っても税額は他の収入と比べ少なく抑えられるものとなります。
②年金として(毎年)受取る場合
idecoを毎年受取る場合にはこれも年金と同じ扱いになり、税額・税率が抑えられる計算がなされます。
公的年金にかかる所得の計算は、65歳未満では70万円、65歳以上では130万円を控除します。この場合にも税額計算上低く計算されるように設定されています。
3.どっちがお得?受け取り方
上の通り、受取り方は2パターンあるので、当然気になるのはどっちの方が得なんか?ですよね。結論はケースバイケースですw
( ゚Д゚)おい!!
貰う人により事情が違ってくるので、ある程度はしょうがないんですwただ、ケースにより類別は可能です。
(1)一時金で受け取る方が得なケース
一時金で受け取る場合、退職金と同じ扱いになります。その為、当然他の退職金があれば、合算したり退職所得控除額の年数を減らしたりしなければならなくなります。
よって、この場合会社から受け取れる退職金等がない場合が当てはまります。
また、裏技として退職金を受け取ってから15年経過すれば、idecoの計算に組み込む必要がなくなるので、早期退職をして退職金を受け取った方は15年経過してからidecoを受け取る事で、退職所得控除額を二重取りする事が可能になります。
(2)毎年受け取る方が得なケース
上と逆ですね。退職金を別で受け取れる場合には、年ごとに受け取って、所得の種類を分けた方がそれぞれの控除額をフルに活用できるので、こちらの方が得になるケースが出てきます。ただし、こちらも当然他の公的年金と合算する事となる為、他に受け取れる年金がある場合、それと合算した結果適用される税率により判断する必要があります。
また、公的年金(idecoも含めて)は雑所得として税金を計算する事となり、雑所得はほかの所得と合算する事になります。他の所得(例えば不動産や事業)がある場合、それらと合算し、超過累進税率により課税がされる事になる為、非課税どころか思わぬ高額な税金が課されるケースもない事はないので、注意が必要です。
これらは当然税金の事だけを考えたシミュレーションなので、例えば住宅ローンがあって、早期完済した方が利息支払いがなくなる分、得になる方や退職金にidecoを合算しても尚、退職所得控除額で全額を賄えるケースもあると思いますので、詳しい計算は自分自身で退職金とidecoの受取額を把握してそれぞれのケースをシミュレーションを計算してみる必要があります。
これを自分の手計算で行うのはちょっと面倒、というか計算間違いをする可能性もある事から、会計ソフトを利用する事をお勧めします。折角の蓄え、最大限手取りを増やしたいところですからねw
4.まとめ
昔はよかった。。。という言葉はよく聞きますが、殊年金に関しては先細りが目に見えています。昔より今、今より将来年金はどんどん先細っていくし、公的年金のみに頼っていても生活が立ち行かない将来が待っているのは経済に長けていても長けていなくても何となくわかる話です。
今回のお話は投資というよりは効率の良い老後の貯蓄です。投資は投資で必要だと思いますし(でないと資産が増えないですしねw)色々な方面での資産運用の方式を考えておくべき話と思います。
資産の運用はリスクを取って増やすのは余剰資金からが基本ですが、振り幅が大きのは仮想通貨と外為FXでしょう、少ない資金で大きい儲けを狙えます。
ただ、大きい儲けが期待できる分損失のリスクも同じだけ大きいので、ハマりすぎにはご用心くださいw