不動産収益化を目のコメント

土地値より安いなんて、それ絶対お買い得でしょ!? どうしてダメなんですか?
築約50年、価格400万円の兵庫県加古川の中古物件です。現居住者から直接譲渡というかたちで、状態もよく、土地値が500万円以上と見込まれるものでした。ちょくちょくリフォームも入っており、非常に良い状態を保っていたんです。
土地値より安い価格って、まさに「掘り出し物」ですね。
そうなんです。ちなみにその土地値というのは、路線価を基に計算したものなので、かなり確かなものでした。
目次
資金計画の概要
合計で800万円の投資計画(物件400万円+リフォーム400万円)でしたが、資金効率や空室リスクを考慮し、リフォーム費用のみ借入でまかないたいという方針でした。そこで「融資の目処が立てば買います」と売主にも伝えて、借入先探しをスタートしました。
7行すべてが融資不可だった理由
相談した金融機関と反応
京都中央信金、京都信金、京都銀行、但馬銀行、兵庫信金、みなと銀行、南都銀行、滋賀銀行、さらにJAまで含めて回りましたが、すべて融資不可でした。
金融機関ごとの主な理由まとめ表
金融機関 | 地域対応 | 属性条件 | 対象用途 | コメント |
---|---|---|---|---|
京都信金 | × | ○ | △ | 地域外物件は不可 |
京都中央信金 | × | ○ | △ | 同上 |
兵庫信金 | × | ○ | △ | 同上 |
京都銀行 | × | ○ | △ | 最寄に支店がないと審査対象外 |
滋賀銀行 | △ | × | × | 地元向け。全国対応型は給与所得者のみ |
但馬銀行 | × | △ | × | 法人専用で個人は対象外 |
みなと銀行 | × | × | × | 複合的に対応外 |
JA加古川 | × | ○ | × | 地区制限が非常に厳格 |
唯一希望が見えた銀行は?
滋賀銀行ですね。「兼業サラリーマン大家だったら通ってたかも」と言われました。不動産収入は安定収入と見なされない。これが一番のネックでした。
自己資金とその考え方
自己資金の内訳と判断
ちなみに自己資金はいくら用意されていたんですか?
400万円です。全額自己資金で買うこともできましたが、空室リスクや資金効率を考えると、それは選びませんでした。
合理的な判断ですね。
出せるのと、出すべきは違いますから。
個人名義で進めた理由と背景
投資戦略上の判断

法人の方が得って聞いたことあるけど…最初から法人にするのはダメなんですか?
私はすでに2軒収益戸建てを所有しており、今回が3軒目になります。1軒目を購入した当時はサラリーマンで、副業として物件を持つことの社内手続きが煩わしく、個人事業者として始めました。
筆者は現在、収益戸建てを2軒保有しており、将来的には「5棟または10室」を一つの目安に個人名義での運用を続ける方針だ。
この基準は、税制上「不動産所得が事業的規模」と見なされるか否かの分岐点であり、損益通算や経費処理の自由度が広がる重要なラインとされています。
よって、それまでは個人事業者として進め、節税と実務のバランスを取る戦略を採っています。
法人との比較と実務上の注意点
私は申告書の作成ができるのでまだ良いのですが、一般的に法人運営には下記のようなハードルもあります
- 法人の確定申告は専門的で、個人より作成が格段に難しい
- 税理士報酬が個人より高額になる傾向がある
- 社会保険の手続きと費用(役員報酬0円でなければ必須)
そのため、初めから法人にすることが必ずしも有利とは限らず、所得分散のゴールを描いたうえで、初期は個人名義で進めるのも現実的な選択肢です。
最大の壁は「属性」だった
職業属性と銀行の評価軸
やっぱり「属性」の大切さですね。不動産収入があっても、銀行はそれを安定とは見ない。会社員としての給与がないと、想像以上に壁が高いということを実感しました。
不動産収入が主であっても、金融機関にとっては「変動収入」と見なされる。その結果、収益物件用の不動産担保ローンの審査においては著しく不利となる。
まとめ:この経験から伝えたいこと
- 土地値が出ていても通らないことがある
- 信金・地銀には地域制限の壁がある
- 不動産収入は“安定”ではなく“変動”と見なされる
- 全額現金で買えるからといって、それが最善とは限らない
- 初期のうちは「個人」で進める戦略も合理的
同じように「良い物件を見つけたのに融資が通らない」という壁にぶつかった方の参考になれば嬉しいです。次はこの経験をどう活かしていくか、再チャレンジしていきます。