CMの差し止めが相次いでいるフジテレビ。CM収入は、これまでの予想より233億円減少し、赤字転落する見通しです。
親会社、フジ・メディア・ホールディングスの最終的な利益の見通しは、従来の290億円から98億円となりました。66.2%のマイナスですが、今後、さらに下振れる可能性も考えられます。
フジテレビ 清水賢治社長
「極めて深刻に受け止めております。その結果、フジ・メディアHDの連結にまで大きな影響を与えていることに関しても、役員の1人としては重大なことだと受け止めております」
政府は30日、政府広報など4件の広告をすべて取りやめたと明らかにしました。タイアップや番組制作への協力も見直します。
林芳正官房長官
「株式会社フジテレビジョンが関わる各省の広報啓発活動については、同社をめぐる現下の状況等踏まえまして、当面、株式会社フジテレビジョンへの広告出稿については見合わせる」
求められるのは、一刻も早い経営体制の立て直し。カギを握るのは、いまも強い影響力を持つとされるフジテレビの日枝久取締役相談役です。
日枝氏は30日、フジ・メディア・ホールディングスの取締役会とそれに続くフジテレビの取締役会に出席しました。
取締役会の開催に先立ち、社外取締役の1人は、こんな問題意識を述べていました。
フジ・メディアHD社外取締役 文化放送 齋藤清人社長
「フジテレビは放送事業社、フジ・メディア・ホールディングスは、フジサンケイグループの多岐にわたる企業の取りまとめ会社。違っている状況で、重複している取締役が多すぎるのはいかがなものか。そのあたりも会社の特性に沿うような形で、取締役のあり方をきっちり検討していく必要がある」
フジ・メディア・ホールディングスの役員は15人。このうち13人が、フジテレビの役員でもあります。取締役会では、こうした体制の見直しなどを進めるため、『経営刷新小委員会』を設置することが決まりました。社外取締役7人がメンバーとなり、透明性のある経営と信頼回復を目指します。また、若手社員で構成されるフジテレビ再生のためプロジェクトチームも発足させます。
フジテレビ 清水賢治社長
「(Q.経営刷新の議論で日枝相談役から発言は)経営刷新についての日枝相談役の発言はありませんでした。(Q.日枝氏含め全役員の刷新が必要など議論は)そこまでの議論になっていません。(Q.日枝氏の辞任が議題には)いえ。(Q.日枝氏からの言及は)ないです」
フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビで取締役相談役を務めている日枝氏。企業のガバナンスに詳しい弁護士は、その影響を、こう分析します。
企業のガバナンスに詳しい牛島信弁護士
「(取締役として)40年間、支配してきたといわれている。いまのフジテレビやフジ・メディアHDの主な役職は (日枝氏の)下で働いた人。忖度するような風土が、会社に生まれたとしても不思議ではない。“取締役相談役”は、ただの相談役と違い、取締役会に出る。(日枝氏が)同じ席にいて、闊達な議論ができるだろうか。日枝氏の影響力が、あまりにも大きい。取締役会が機能しにくくなった事実があるのかどうか。社外取締役に検討していただいて、改める必要があるのか教えてほしい」
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