中国では、月末に迫る旧正月の連休「春節」を前に「春運」と呼ばれる大移動が始まっています。中国国内で広がる「ヒトメタニューモウイルス」の感染拡大を警戒し、対策を進める日本の医療機関も出てきています。
■過去最高の延べ90億人 春運で人の大移動
列車の中で座席からあふれる人たち。立ったまま移動する人もいれば、通路で重なるように寝ている人の姿も。
中国では「春節」に向けて交通機関の需要が大幅に増加するため、1月14日~2月22日まで政府主導で鉄道などの増便を行い、混雑を緩和する特別輸送体制「春運」が実施されます。
今年の春運で移動する人の数は、鉄道で5億1000万人、航空で9000万人とみられ、過去最高の延べ90億人に上るとみられています。
人の波は観光地にもありました。
中国人男性
「これは、花花(ファーファ―)を見るための行列です。外にも人がいるのですが、見て下さい。行列がまだ続いていますよ」
四川省にあるジャイアントパンダ研究施設では、パンダを一目見ようと2時間待ちの状態です。
■ヒトメタニューモウイルス 日本への影響は?
こうした「春運」の大移動で懸念されているのが、中国国内で増加している「ヒトメタニューモウイルス」の感染拡大です。
乳幼児や10代など比較的若い世代が感染しやすい傾向にあり、中国各地の小児科病院では、診察室に入りきらない患者が待合室や廊下にあふれ返っています。
「大移動」による日本への影響はあるのでしょうか。
中国人観光客などの患者を受け入れている福岡県のクリニック・城山国際医院では、ヒトメタニューモウイルスの検査キットを導入しました。
城山隆孝院長
「診断が一番大事なので、診断のツールがないといけない。中国から来てる患者さんを結構診てるので、症状が似てる方にはこういう検査が必要だよと意識して導入してます」
高齢者や乳幼児で一部重症化する可能性がありますが、通常はせきや鼻水などの軽い症状で収まる場合が多いと言います。
城山院長
「マスク、アルコール消毒、手洗い。予防というのはすごく大事」
(「グッド!モーニング」2025年1月16日放送分より)
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