春闘で相次いだ大手企業の満額回答。賃上げの流れが中小企業へと波及するかが景気押し上げのカギとなりますが、ハードルもあるようです。
■就活性も「高い給料ほしい」
都内で開かれた就職活動中の学生と企業が交流するキャリアイベント。参加した学生が重視していたのは…。
参加した学生
「給料ですかね、やっぱり。（給料が）高いところは自分がより多くの価値を生み出せると思う」
企業も、学生の声を実感しています。
アカリク 山田諒代表
「各社が給料を上げてきているという背景もあるので、条件面を重視する学生が増えています」
14日に発表された春闘の第1回集計。平均の賃上げ率は5.46％で、去年を上回り、34年ぶりの水準です。
労働組合の連合は全体で5％以上、中小企業に対しては6％以上の賃上げを要求しています。しかし、中小企業の賃上げには壁が立ちはだかっています。
■中小企業賃上げに“2つの壁”
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長
「なんでこんなに俺が働いているんだってくらいよく働いていますよ」
社長自らが汗を流すスーパーアキダイ。賃上げに伴い、思わぬ人材不足が起きていました。
秋葉社長
「給料を上げる＝収入増える＝年収の壁が近くなってしまう」
来年度の予算案で、最大160万円まで非課税枠が引き上げられた年収の壁。それでも収入が増えることになれば、早い時期に壁に到達することになり、年末にかけて従業員の働き控えが起きることを心配しています。
秋葉社長
「働いて頑張っている人に給料を上げると言いたくて仕方がない。厳しい現状があるというのは間違いない」
中小企業の賃上げを阻む壁は、年収の壁だけではありません。賃上げなどで増加するコストを価格への上乗せで補う“価格転嫁の壁”です。大阪市にある金属部品加工の会社では。
北野鉄工 北野徹代表
「物価の上がり幅が尋常じゃないというか。価格転嫁しないと、いろいろなものに反映できない」
この企業は去年4月に月給を4000円アップしました。この賃上げを賄うために、一部の部品の価格を1.5倍に値上げしました。この先の賃上げのためには、他の部品の値上げの検討も必要ですが、取引先に受け入れてもらえるか心配しています。
北野代表
「中小は苦しんでいるし、製造業全体的に見てもらうと町工場は思い通りいけていない部分もある。自社努力もいりますが、価格転嫁もないと、というところ」
（「グッド！モーニング」2025年3月17日放送分より）
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