奈良県東部の山あいにある村が設置した、1億円の公衆トイレが物議を醸しています。
5日、「イット！」が向かったのは奈良・御杖村。
見えてきたのはきれいな建物で、横には「トイレ休憩所」と書かれています。
国道沿いに設置された真新しい建物は、2024年2月に完成した村の公衆トイレです。
男女の個室トイレが1台ずつあり、中はおむつの交換台なども完備。
目の前は駐車場となっていて、観光客などが利用しやすい立地です。
人口1347人の御杖村は、雄大な山々に囲まれ、四季折々の自然を満喫できるのが魅力。
トイレは村を横断する国道沿いにあり、村の重要な西の玄関口に位置しています。
一見、普通のトイレに見えますが、話題となっているのはその建設費用です。
「税金が、あんなに高額なトイレにお金を使うなんて。あとでわかって、村中『えー！』っていう感じでしたね」「1億円トイレ！」などと話す地元の人。
実はこのトイレ、工事費や設計費、土地の取得や駐車場の整備費など、合わせて総額1億円ものお金が使われているんです。
建物の材料には地元・奈良県産の木材を使用。
建設費用は10年かけて返済する過疎債で賄い、実際に村が負担するのは3割です。
それでも、村民1人当たりの負担は6万7000円と、決して安い金額ではありません。
地元の人から「もっと他に使い道なかったんかな。ちょっともったいない金のかけ方。まだ個人個人に配ってくれた方がみんな喜んだんじゃない」「みんな生活は楽ではないですよね。税金をあんなところにばばっと1億円もかけるのは考えられない」という声が上がる一方で、「僕は便利ですね。高いやろうけど、村が発展したらええことなのかなとは」「他にお店もないところですから、絶対便利ですよね」といった声も聞かれました。
トイレの外側には観光パンフレットを置き、利用者らに村の魅力をアピールする取り組みも。
御杖村の伊藤村長は、公衆トイレの建設費用について「駐車場や案内板の設置などに加え、近年の人件費や物価・資材の高騰などもあり、工事費に関しては国・県の基準に基づいて設計しており妥当であると考えています」としています。
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